日本は進んだ国か??
「日本は先進国で進んだ国だ」
このように考えている方も多いですが、国際比較を見ると、実はそのようなことはありません。
例えば、一人当たりの平均年間総実労働時間を比較したデータがあります。
日本、アメリカ、イタリア、イギリス、フランス、ドイツ、これらの国で比較したデータがあります。
日本単独で見ると、1988年の労働基準法の改正を契機に、労働時間は減少を続けてきました。
2009年には1714時間を記録し、その後若干増加し、2015年には1719時間となりました。
国際的に比較をすると、1980年当時はこの6か国中ダントツに日本は労働時間が長かったものの、
2015年のデータでは、アメリカが1790時間、イタリアが1725時間、日本が1719時間、
イギリス1674時間、フランス1482時間、ドイツ1371時間となっています。
アメリカよりは日本は労働時間について少なく、イタリアとほぼ横ばい、ドイツに比べるとはるかに働いているということが分かります。
こんなに働く日本人ですが、どの位生産性が高いのでしょうか?
労働生産性は、GDPを就労者数で割って考えます。
つまり、働いた人一人当たりが生み出したGDPが、どの位あるかを見ます。
実は日本の労働生産性は、OECD35か国中、18位です。
上位3位は、ルクセンブルク、アイルランド、ノルウェーです。
日本は他国に比べて長く働くにもかかわらず、生産性はいまいちという残念な結果になっているのです。
だからこそ、生産性を上げる、
労働時間削減だけではない、施策が必要なのです。